「組織文化とは組織からにじみ出る『人格』だ」と話す元東電社員の小池明男さん
「組織文化とは組織からにじみ出る『人格』だ」と話す元東電社員の小池明男さん
東京電力の元社員小池明男さん

 東京電力の元社員、小池明男さん(61)=東京都=が、企業などの組織文化について論考した本を出版した。小池さんは2022年の退職まで約4年間、東電福島第1原発事故2011年3月11日に発生した東日本大震災の地震と津波で、東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の6基のうち1~5号機で全交流電源が喪失し、1~3号機で炉心溶融(メルトダウン)が起きた。1、3、4号機は水素爆発し、大量の放射性物質が放出された。の教訓を継承する社内研修を担当。延べ約3万人の東電社員と対話した経験などを基に、事前の備えを欠いた事故原因の本質は東電の「組織文化」にあったと話す。トラブルや不祥事などにもつながる組織文化の問題点を聞いた。

(論説編集委員・仲屋淳)

 -事故後、自ら発起人となり、震災資料のアーカイブ化と全社員研修の実施に向けて動きました。

 「エネルギーを届け、...

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