第8弾 阿賀路

水森かおりさんご当地旅情

<上> 阿賀野市編
曲の舞台 白鳥、桜が共演

新潟日報 2022/04/26

 新潟日報社が展開している地域支援プロジェクト「未来のチカラ in 阿賀路」の一環として、阿賀野市の観光親善大使で「ご当地ソングの女王」と呼ばれる歌手水森かおりさん(48)が、同市と五泉市、阿賀町を訪ねた。-桜舞い散る春の湖、風情あふれる街並みをしっとりと、時に陽気に歩きます。それでは参りましょう、3回にわたってお届けします旅の始まりは、ヒット曲「越後水原」の舞台・阿賀野市です。

白鳥と桜が共演する春の瓢湖でポーズを取る水森かおりさん=阿賀野市水原
白鳥と桜が共演する春の瓢湖でポーズを取る水森かおりさん=阿賀野市水原

 「うわぁ、待っていてくれたようでうれしい」。旅の起点は「越後水原」の舞台である阿賀野市水原の瓢湖。4月14日、満開の桜並木が水森さんを出迎えた。2016年に市の観光親善大使を務め、祭りへの参加や警察の一日署長にも任命されるなど思い出が多い。「阿賀野は第二のふるさと。ただいま」と笑顔をはじけさせた。

阿賀野市のイメージキャラクター「ごずっちょ」も駆けつけた=阿賀野市水原
阿賀野市のイメージキャラクター「ごずっちょ」も駆けつけた=阿賀野市水原

 瓢湖はラムサール条約登録湿地で、国内有数の白鳥の飛来地として知られる。けがなどで飛べない白鳥は通年を過ごすため、春の瓢湖は白鳥と桜の共演が楽しめる絶景の季節だ。

 6年前に水森さんが植樹した「結桜ゆいざくら」も見頃に。結桜は市内だけで栽培され、色が白から濃いピンクへと変化する珍しい品種。人と人との縁を結ぶようにと名付けられた。当時1.2mほどだった苗木はおよそ4メートルになり、「元気に育ってきれいな花を咲かせてくれた」と感慨深そう。「結桜がこれからも皆さんとつながっていけるシンボルになったら」と願った。

瓢湖の湖畔で花を咲かせる、水森さんが植樹した「結桜」=阿賀野市水原
瓢湖の湖畔で花を咲かせる、水森さんが植樹した「結桜」=阿賀野市水原

 続いて土産物や喫茶などを扱う白鳥観察舎へ。土産の一番人気は、黄身あんを包んだ地元銘菓「白鳥の卵」だという。水森さんが「かわいい」と手に取ったのは、ピンクの琥珀こはく糖。瓢湖の八重桜を使っている。

 3月まで観察舎の販売員だった松山ひさ子さん(77)も駆けつけた。瓢湖での水森さんのイベントや水森さんのユーチューブチャンネルなどで交流を続けてきた。松山さんは「『越後水原』はカラオケで歌い続けている。また会えてうれしい」と喜んだ。

3月まで白鳥観察舎の販売員として水森さんと交流を続けた松山ひさ子さん(右)。瓢湖での再会に感激しきりだった=阿賀野市水原
3月まで白鳥観察舎の販売員として水森さんと交流を続けた松山ひさ子さん(右)。瓢湖での再会に感激しきりだった=阿賀野市水原

瓢湖水きん公園
住所:阿賀野市水原313-1
問い合わせ:阿賀野市公園管理事務所
0250-62-2690

癒やしを実感 山麓の足湯

 次に向かったのは、五頭山麓の豊かな緑に抱かれた五頭温泉郷・村杉温泉。約700年の歴史を持つ国内有数のラジウム泉だ。

 共同浴場近くの「薬師の足湯」は、手軽に温泉を楽しめる人気スポット。そばに飲用泉もある。「ラジウム温泉は入ってよし、吸ってよし、飲んでよし。ラドンの豊富な蒸気を吸い込むだけでも健康にいいといわれています」。川上屋旅館の川上博治代表(60)が案内してくれた。

村杉温泉「薬師の足湯」でリラックス。そばには澄んだ源泉が湧き出ている=阿賀野市村杉
村杉温泉「薬師の足湯」でリラックス。そばには澄んだ源泉が湧き出ている=阿賀野市村杉

 早速漬かった水森さんは「気持ちいい~」と至福の表情。足湯の底には大中小の丸い石が埋め込まれ、足つぼを刺激してくれる。「最初はぬるいと思ったけど、出た後も体がぽかぽかしている」と水森さん。川上さんは「長時間入っていられるのでデートにもお薦め」と紹介。飲用泉を試飲した水森さんは「においがなくて、喉に全く引っかからずおいしい。ステージドリンクにしたい」と気に入っていた。

 阿賀野の旅を振り返り、「あらためて阿賀野の人の温かさ、優しさを感じた。足湯など新たな魅力も発見できた」と満足そうにほほ笑んだ。

村杉温泉薬師の足湯
住所:阿賀野市村杉3946-6
問い合わせ:村杉温泉組合
0250-66-2626