第8弾 阿賀路

<中> 五泉市編
色鮮やか ニットが歓迎
新潟日報 2022/04/27
阿賀野市に続いて水森かおりさんが訪れたのは、全国有数のニット産地として知られる五泉市。五泉ニット工業協同組合が入る複合施設「LOOP & LOOP(ループアンドループ)」にやって来た。戦後間もなく建てられた建物のレトロさを生かしつつ、昨年おしゃれに改修した。セレクトショップでお気に入りのニットを探した。

「すごく色鮮やか。いろんな種類があって見ていて気分が上がる」。ニットの洋服やバッグなどが並ぶ店内で、はしゃぐ水森さん。同組合の梅田恒栄理事長(68)が「一番似合うのをプレゼントしますよ」と出迎えた。
春らしい若草色の薄手ニットや、グレーの個性的なデザインのカーディガンを鏡の前で当ててみたり、羽織ってみたり。「すごく滑らかな着心地。どれもすてき。こっちとどっちがいいかな」と真剣な表情で迷うこと数分、選んだのは水色のベスト。長めの丈で、両サイドはベルトが付いていて絞って着られる。水森さんのスタイリストも「着回しができる」と絶賛した。
ステージでのドレスのイメージが強い水森さんだが、普段はパンツスタイルが多いという。組合の担当者が「ベストの中にシャツを着て襟を出すのもお勧め。下はプリーツスカートやスキニーパンツでもいい」と着こなしをアドバイスした。プレゼントされたベストは「旅番組で着たい」とうれしそうだった。

建物2階、イベントホールに展示している糸のサンプルも見せてもらった。芯に巻かれた糸は色や太さ、素材もさまざまだ。「2色使いやラメ入りはどうやって作っているんですか」と水森さんは興味津々。高品質な製品を作る工程や、きれいで豊富な水に恵まれているために戦前から織物のまちとして栄えた歴史も教えてもらった。

LOOP & LOOP
2階にはコワーキングスペースも
住所:五泉市吉沢1-1-10
問い合わせ:五泉ニット工業協同組合
0250-42-2156
水のまち 歴史に思いはせ
おしゃれを満喫した後は、風情ある郷屋川沿いを散策した。「五泉は多くの川が流れる水のまち。昔は郷屋川の水は飲料水にしていたんです」と五泉市観光ガイドの中村吉則さん(74)が案内した。

同所には市民の憩いの場ともなっている湧き水井戸「郷屋川のいずみ」があり、市民ボランティア「清流の里たわし隊」が景観を守ろうと定期的に清掃している。川沿いにたたずむ木造の古い蔵は、江戸時代から続く近藤酒造(吉沢2)だ。毎年1月に菅名岳で仕込み用の清水をくむ「寒九の水くみ」で知られ、例年多くの日本酒ファンが参加する。
水森さんは、川面を流れる桜の

郷屋川のいずみ
住所:五泉市吉沢2-3
問い合わせ:五泉市観光協会
0250-47-7518