東京電力柏崎刈羽原発の再稼働に同意するのか、しないのか-。国からの要請を受け、新潟県は選択を迫られています。花角英世知事は県民の受け止めを見極めて判断すると公言し、その判断材料は間もなくそろう見通しです。再稼働の是非は知事の政治判断に委ねられていますが、肝心の新潟県民はどう考えているのでしょう。新潟日報の記者が全37市区町村、県内津々浦々を訪ね、再稼働問題への率直な意見に耳を傾けます。

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冷たい風が吹き始めた11月4日、津南町の山々は紅葉が見頃を迎えていました。長野県との県境の町、津南町の商店街を歩き、東京電力柏崎刈羽原発に対する思いを聞きました。
◆古里を失いたくない…「県民投票で決めたかった」
商店街の一角で、70代の女性2人が井戸端会議をしていました。
花角英世知事は再稼働問題について「県民の受け止めを見極める」と公言しており、その結論を遠くないうちに明らかにするとしています。女性の一人は「(県民意見を)十分に聞いたと言えるのか。県民投票で賛否を決めたかった」とつぶやきます。
二人がそろって口にしたのは、東電福島第1原発の事故のこと。「福島の人は自分の古里をなくすことになったじゃない」...
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