東京電力柏崎刈羽原発。手前側が刈羽村に立地する5、6、7号機=2025年9月(本社ヘリから)

 東京電力柏崎刈羽原発の再稼働に同意するのか、しないのか-。国からの要請を受け、新潟県は選択を迫られています。花角英世知事は県民の受け止めを見極めて判断すると公言し、その判断材料は間もなくそろう見通しです。再稼働の是非は知事の政治判断に委ねられていますが、肝心の新潟県民はどう考えているのでしょう。新潟日報の記者が全37市区町村、県内津々浦々を訪ね、再稼働問題への率直な意見に耳を傾けます。

 東京電力柏崎刈羽原発の立地自治体で、村内に5、6、7号機がそびえ立つ刈羽村。暮らしのすぐそばに原発があることを地元住民はどう思っているのでしょうか。周囲の山々が秋らしく色づいて青空が広がった11月5日、村内の大型商業施設を訪れ、声を聞きました。

地元住民が次々と買い物に訪れる大型商業施設=刈羽村刈羽

◆知事に判断迫る「このままでは商売をする人がいなくなってしまう」

 「日々、再稼働のニュースは見ているよ。稼働したら経済が回る。商売をしている身としてはメリットの方が多い」

 村内でサービス業を手がける取締役の男性(51)と出会いました。

 柏崎刈羽原発では2012年以降、7基全ての運転が止まったままです。男性は「一部を廃炉にして、動かしたら良いと思う。原発が止まって以降、人の動きは止まったまま。知事にはとにかく早く方針を決めてほしい」と求めました。

「経済活性化のため」と早期再稼働を求める男性=刈羽村刈羽

 会社員男性(57)も...

残り1041文字(全文:1562文字)