県庁に運ばれた署名入りの段ボール。有効署名数は14万3196筆に上った=3月27日、県庁
県庁に運ばれた署名入りの段ボール。有効署名数は14万3196筆に上った=3月27日、県庁

 東京電力柏崎刈羽原発柏崎市、刈羽村にある原子力発電所で、東京電力が運営する。1号機から7号機まで七つの原子炉がある。最も古い1号機は、1985年に営業運転を始めた。総出力は世界最大級の約821万キロワット。発電された電気は主に関東方面に送られる。2012年3月に6号機が停止してから、全ての原子炉の停止状態が続いている。東電が原発を再稼働させるには、原子力規制委員会の審査を通る必要がある。7号機は2020年に、6号機は2025年に全ての審査に「合格」した。7号機は2024年6月に技術的には再稼働できる状況が整った。再稼働東京電力福島第1原発事故を踏まえ、国は原発の新規制基準をつくり、原子力規制委員会が原発の重大事故対策などを審査する。基準に適合していれば合格証に当たる審査書を決定し、再稼働の条件が整う。法律上の根拠はないが、地元の自治体の同意も再稼働に必要とされる。新潟県、柏崎市、刈羽村は県と立地2市村が「同意」する地元の範囲だとしている。の是非を問う県民投票条例案が、16日から県議会臨時会で審議される。条例制定を直接請求するために集まった署名は14万3千筆超。2012年に同様の条例制定を求めた署名数の2倍以上に上った。その数字には、政府による再稼働への働きかけが強まる中、自らの意思を示したい県民の思いがにじむ。投票に何を託すのか。署名集めに奔走した人たちの思いを聞いた。(2回続きの2)

 昨年2月以降、原発で事故が起きた場合に甲状腺被ばくを抑えるための「安定ヨウ素剤」が長岡市内で配られるようになった。1月に能登半島地震2024年1月1日午後4時10分ごろに発生した石川県能登地方を震源とする地震。逆断層型で、マグニチュード(M)7.6と推定される。石川県輪島市と志賀町で震度7を記録し、北海道から九州にかけて揺れを観測した。気象庁は大津波警報を発表し、沿岸部に津波が襲来した。火災が相次ぎ、輪島市では市街地が広範囲で延焼した。が起きてから間もない時期だった。

 長岡市は東京電力柏崎刈羽原発から半径5〜30キロ圏...

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