東京開催の五輪とともにパラリンピック(東京パラ)も1年延期が決まり、1カ月余りがたった。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため多くの施設が閉鎖され、選手たちは練習場所の確保もままならない。選考方法や今後の日程もほぼ白紙の状態だ。先が見えない状況でも、東京パラを目指す本県関係選手は、コンディションの維持に余念がない。思いは共通している。「今できることを着実に」

陸上(車いす)樋口政幸 十日町市出身
「制約逆手に持久力磨く」

東京パラ延期決定前の2月にトラックで練習する樋口政幸=千葉県白井市

 静かな口ぶりに闘志がにじむ。「メダルを手にできるように日々積み上げたい」。3大会連続出場を目指す陸上(車いすT54)の樋口政幸(41)=プーマジャパン・十日町市出身=は、ベテランらしい落ち着きで、コンディションの向上に心を砕く。

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