台湾で話題を呼んだ青春映画『ひとつの机、ふたつの制服』が、10月31日より都内の新宿武蔵野館、アップリンク吉祥寺、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で順次公開される。
本作は昨年の「第29回釜山国際映画祭」「第61回台北金馬映画祭」で上映され、『あの頃、君を追いかけた』(2011年)で知られる大ヒットメーカー、ギデンズ・コー監督が「心を揺さぶられた」と絶賛した注目作。
映画の始まりは1997年。受験に失敗し、強引な母の勧めで名門女子校の”夜間部”に行くことになった主人公・小愛(シャオアイ)は、全日制の成績優秀な敏敏(ミンミン)と同じ机を使うことになる。ふたりは “机友(きゆう)”になり、敏敏が提案した制服交換から行動をともにするようになるが、やがて同じ男子高生・路克(ルー・クー)を想っていることに気づき…。友情と恋心が交錯していく。
主人公・小愛はチェン・イェンフェイ、敏敏役はシャン・ジエルー、路克役はチウ・イータイが演じる。
台湾で当時大人気だった日本の漫画『SLAM DUNK』が出会いのシーンに登場するなど、90年代の青春を彩る要素がふんだんに盛り込まれているのも特徴。
また、劇中で印象的に使われるのは、台湾を代表するロックバンド・五月天(Mayday)の楽曲「擁抱」。1999年にメジャーデビューした彼らの初期の代表曲で、劇中ではデビュー前のライブに小愛と敏敏が出かける場面で流れる。予告編でも同曲が使用されており、歌詞翻訳はついていないが、「ずっとかぶっていた仮面をはずし」という歌詞が、“昼”の制服をまとい嘘を重ねてしまう小愛の心情を映し出す。
大人には懐かしく、現在進行形の若者にはちょっぴり痛い、青春コンプレックス・エンタテインメントの誕生を感じさせ、さらに期待を高める予告編になっている。