俳優の松坂桃李、染谷将太、岩井澤健治監督が30日、都内で行われた劇場アニメ『ひゃくえむ。』(公開中)公開御礼舞台あいさつに登壇。岩井澤監督の精神力に、松坂が感嘆の声を漏らした。
【集合ショット】黒がよく似合う!全身部落コーデで登場した松坂桃李&染谷将太
本作は、『チ。―地球の運動について―』で手塚治虫文化賞マンガ大賞を史上最年少受賞した魚豊氏の連載デビュー作が原作。陸上競技の世界で、「100メートル」という10秒に満たない一瞬の輝きに魅せられた者たちの狂気と情熱を描いた物語。「心が熱くなる」「スポーツ漫画で感じたことない感覚」と多くの共感と驚きを呼び、完結後も熱狂的な人気を集めている。
松坂は生まれつき足の速い“才能型”のトガシを、染谷はトガシとの出会いから100メートル走にのめり込んでいく“努力型”の小宮を演じ、W主演を務めた。10月12日には北米公開を控え世界からも注目を集める本作。初めての上映後の舞台あいさつとなり、ネタバレも解禁。
作中に登場する雨のシーンは総作画枚数9800枚と司会から明かされたが、岩井澤監督は「本当はもうちょっと行くんですけど、途中で数えるのがめんどくさくなっちゃって」と告白。会場からは驚きの声が上がり、松坂は「雨のシーンだけで1年ですよ?狂気ですよ」とポツリ。続けて監督が「でも1年かけただけあって、いい画面になった」と自信をにじませると、会場からは大きな拍手が上がった。
作中のトガシと小宮のユニフォームにちなんで赤と青の札で2択の質問に回答するコーナーも。自分は持久力タイプか瞬発力タイプか、という質問には、松坂は「うーんって悩んでばっかりなんで」と「持久力タイプ」の札を上げ、対して染谷は「瞬発力タイプ」として「やってみないとわからない。よくわからないけど、よくわからないままやる。走っちゃう。そっから大転倒しちゃうかもしれないですけど」と明かし、岩井澤監督も「持久力タイプ」として「持久力ないとアニメ作れない」と笑いをこぼした。
また、「勝負日の前日の備え方」については、「しっかり備える」と回答し、「ただたんに心配性なだけ。クランクイン初日とか、大丈夫かな、もう1回台本読もうかなって、だいたい寝不足で迎えます」と苦笑い。染谷は、「普段通り」と回答したが、「すっごいわかります」と共感。「心配性なので。普段通り過ごそうと、かっこよく言うと現実逃避している」と行動の方向性が違うことを明かした。
ここで「普段通り」と回答した監督は、「なるようになる」ときっぱり。この回答に、松坂は「いいなあ、そういうふうになりたい」と思わずあこがれの眼差しを向けていた。