『BMSG FES'25』の模様 写真:田中聖太郎写真事務所
『BMSG FES'25』の模様 写真:田中聖太郎写真事務所

 9月27、28日の2日間、東京・お台場の特設会場にて、SKY-HIがCEOを務めるマネジメント/レーベル・BMSGによる『BMSG FES’25』が開催された。初開催となった2022年は富士急ハイランド・コニファーフォレストにて野外フェスとして開催。2023年は東京(東京体育館)と大阪(大阪城ホール)の2都市、3回目の2024年は神奈川・Kアリーナ横浜で3日間6公演を開催。設立5周年という節目の年は初年度以来3年ぶりの野外での開催となった。SKY-HI、Novel Core、BE:FIRST、Aile The Shota、MAZZEL、REIKO、HANA、STARGLOWが出演し、2日間で8万人を動員した『BMSG FES’25』初日のオフィシャルレポートが到着した。

【ライブ写真多数】大熱狂!『BMSG FES'25』のステージショットたっぷり27点

 約4万人で埋まった会場に『BMSG FES’25』のテーマソング「GRAND CHAMP」のイントロが流れた。ステージから火柱が上がり、SKY-HI、RUI(STARGLOW)、JUNON(BE:FIRST)…とBMSG ALLSTARSがマイクを繋いでいく。これまでの軌跡のすべてを祝うと同時に、「まだ始まったばかり、ここからが本番」という挑戦者のアティチュードを表明した楽曲だ。ビジョンにBMSGの5年の歩みをイラスト化した「BMSG 5周年絵巻」が映る中、早速総勢21人の個性が眩い輝きを放つ。SKY-HIが「BMSG FES 2025、始めるぜ!」と開幕宣言。そのままSKY-HIをはじめとするBMSG所属のソロアーティストからなるクルー、BMSG POSSEの「MINNA BLING BLING」へ。

 ステージの上手と下手それぞれにフロートが到着。TAKUTO(MAZZEL)が「フロート来たぞー!」と口にし、21人が2台のフロートに分かれて乗り込む。BMSG POSSEの「OVERDRIVE」で自由度を更新した後、MAZZELの「Vivid」へ。〈ほら皆に言わせよう〉の後の〈ご馳走様〉は4万人の声が重なった。SKY-HIがLEO(BE:FIRST)を指差すと、LEOが元気いっぱいに「こんにちはー!暑い中、待っててくれてありがとう!新曲持ってきたぞー!」ということで、『サントリー生ビール』のプロジェクトソングであり、JUNONとLEOがふたりで作詞を手がけた「BLUE」を初披露。MAZZELのNAOYAとHAYATOによるユニット曲「to me」では「ありのままの自分でいよう」というメッセージとキュートさで4万人を魅了。「夢中」を歌いながらMANATO(BE:FIRST)がRUIの肩を抱くと、RUIが満面の笑顔でMANATOを見つめた。SOTA(BE:FIRST)はRAN(MAZZEL)を抱き寄せる。グループの垣根などなく、全員が大切な仲間であるこれぞBMSG!な光景が広がった。

 『BMSG FES』の定番曲のひとつであるSKY-HIの「14th Syndrome」はRUIとTAIKI(STARGLOW)とKANON(STARGLOW)とRYUHEI(BE:FIRST)という10代の4人とSKY-HIによって歌われた。この曲が発表された当時14歳だったRUIとTAIKIは夢を掴み、STARGLOWとしてプレデビューしたばかり。SKY-HIが誇らしげにTAIKIの肩を抱くと、TAIKIは〈5years later ばっちりデビューはできた〉という歌詞を〈ばっちりデビューしたぞ!〉と変え、大きな歓声が上がった。最後のSKY-HIのバースで21人がフロートから降り、メインステージに戻った。21人がステージ上をぐるぐると周り、大きな円を作り、みんなでジャンプ。

 SKY-HIが「TAIKI、RUI、RYUHEI、KANON!そしてNovel Core!」とシャウト。Novel Coreが「この歴史を知ってる人も知らない人も今日は一つになろう、よろしく!」と言って、「SOBER ROCK -Remix- feat. SKY-HI」へ。5年前、SKY-HIがBMSGの設立とボーイズグループオーディション『THE FIRST』の開催を発表した実家ワンマンで披露された楽曲にSKY-HIが参加したバージョンだ。言わばBMSGの始まりの曲である。Novel Coreが「最高のヒーロー、SKY-HI!」とSKY-HIへシャウトを送る。ビジョンには『BMSG FES’22』の「SOBER ROCK -Remix- feat. SKY-HI」の映像が映った。BMSGの所属第一弾アーティストであるNovel Core。今では30人を超えるアーティストが所属するBMSGだが、SKY-HIとNovel Coreが2人きりで邁進してきた時間があったからこそ今がある。Novel Coreが「お台場最高だ! 今日初めて会う人も!」と言ったあと、SKY-HIと一緒に「これがBMSG!」と叫んだ。

 SKY-HIとNovel CoreによるBMSGのエピソード0。エピソード1は『THE FIRST』である。Aile The Shotaが〈曇り空に wake up 水溜りに桜〉と歌い出した。山梨県で行われた『THE FIRST』の合宿クリエイティブ審査のためにチームCが制作した「YOLO -You Only Live Once-」だ。SHUNTO(BE:FIRST)、REIKO、RUI、TAIKIもステージ上に登場。あれから約4年。RUIとTAIKIのデビューが決まり、チームCは全員デビューアーティストに。Aile The ShotaがRUIとTAIKIを見て、「お前ら、本当デカくなりやがって!」と満面の笑顔を浮かべた。デビューアーティストとしての貫禄を備えたTAIKIが大きなステージのセンターでラップ。感極まるRUIの肩を優しい笑顔で抱き寄せるSHUNTO。Aile The Shotaが〈始まりの山梨忘れない あの日と変わらない 仲間を愛してる〉と歌詞を変えて歌ったあと、「始まりの山梨、『THE FIRST』から生まれたチームC。一人残らず今ここに立てることを誇りに思います」と言って「YOLO」を締め括り、REIKOにバトンを渡した。

 DREAMS COME TRUEのカバー「決戦は金曜日」、「君のせい」などを披露し、歌でもダンスでもソロアーティストとしての力量を見せつけたREIKO。「『THE FIRST』から始まって、こんなに幸せな形で続けられたこと本当に幸せです。僕は準備ができました」と言って、敬愛する久保田利伸の「流星のサドル」をサンプリングした「LOVE DEEPER」をパフォーマンス。REIKOがおじぎをすると、どこからか「REIKO!もう1曲くらい一緒に歌おうよ!」という声が聞こえる。RANが現れ、「今日は良い日だな」と言うと、REIKOが「RAN、最後の曲一緒に歌おうぜ」と口にし、REIKOの「So Good」をふたりで歌唱。『THE FIRST』で出会い、固い絆で結ばれたふたり。RANがREIKOを見つめて〈つらい時にはそばにいるよ〉と熱唱。『THE FIRST』『MISSONx2』というふたつのオーディションに共に参加し、RANは『MISSONx2』からMAZZELとしてデビュー、REIKOはソロアーティストの道を選んだ。

 しかし、こうやって同じステージに立ち、REIKOがRANに「いつもありがとう」と伝え、RANが「こちらこそ」と言って抱き合うふたりの姿がある。RANが「こうやってREIKOと3年前のBMSG FESのステージで歌ったのが僕のBMSGとしての最初のライブでした。今では俺も大切な最高の仲間がいるんですけど、皆さん準備いいですか?」と言って、MAZZELが登場。KAIRYU(MAZZEL)が「良いこと言うやん」と言い、SEITO(MAZZEL)が「一緒に世界目指そうぜ!」と叫び、RANは「ありがとう」とうれしそう。「Seaside Story」で夏の情景を蘇らせたあと、サングラスをかけたRYUKIが「人生で最高な日にしようぜ!」とアジテートして「King Kila Game」。SEITOの〈J-O-K-E-R〉というドスの効いた声を皮切りに「J.O.K.E.R.」とのマッシュアップから「J.O.K.E.R.」に突入するという怒涛の流れ。息もつかせぬスピード感で8人のバラバラの個性がぶつかり合い、凄まじい高揚感を生み出していく。ラスト曲はMAZZELの必殺技がこれでもかと詰まった新たなキラーチューン「DANGER」だ。

 三味線の音が聞こえ、SKY-HIが「Back to 2022」と口にした。BMSG ALLSTARS初の楽曲として『BMSG FES’22』で披露された「New Chapter」だ。SHUNTOが、2015年のAAAの富士急ハイランドのライブをきっかけにアーティストになる夢を膨らませたエピソードを宿した〈あの日 恋焦がれた 7年分の利子をつけて 俺が夢を見せる番だ〉という歌詞を〈10年分の利子をつけて〉に変えて力を込めて歌うと、SKY-HIが「SHUNTO!」と叫んだ。「THE FIRST」を経てBMSG TRAINEEとなり、『BMSG FES’22』を客席から見て、デビューへの気持ちを燃やしていたKAIRYUがジョインするという展開もあった。

 「A GREAT FOOL」のイントロと共に、Novel Coreの「俺がどこにいるのかわかってんのか!?ライブハウス出身の俺がステージ上だけで満足するわけねえだろ!」というシャウトが聞こえた。アリーナエリアを歩きながら、「A GREAT FOOL」を披露。「俺がいるとBMSG FESがフェスらしくなるだろ!?」。ライブハウスからアリーナ、アウェイからホームまで。あらゆる会場で戦ってきた地力を見せつけ、「俺が『THE FIRST』のひとつ前、BMSGのエピソード0、Novel Coreです」とひとり目にBMSGの名入りのフードを被る理由を明かし、「SHIKATO!!!」で4万人とジャンプ。ラップを始めた15歳から現在までの道のりを凝縮した「C.O.R.E」を披露したあと、「日が暮れたし、友達呼ぼうぜ!」と言って、マイメン・Aile The Shotaを呼び込んだ。先ほどと違う服を着用しているAile The Shotaに「おまえ、洋服何着持ってるんだよ!」と突っ込めば、Aile The Shotaは「相変わらずかっこいいなおまえ」と笑顔で応える。友情とポジティブなバイブスがあふれた「HAPPY TEARS feat. Aile The Shota」。Novel Coreが「令和が生んだJ-POPスター!『BMSGは俺だ』とはこいつのこと!Aile The Shota!」とAile The Shotaの過去の発言を引用し、リスペクトを込めて親友にバトンを渡した。

 Aile The Shotaは「BMSGは好きですか?俺もこの事務所のすべての仲間を愛してます。すべての仲間が俺のことをリスペクトしてやまないみたいでばっちりかまさせてもらいます」と宣言。「常懐」では〈思い出すのは あの日の富士急かな〉と歌詞を変えて3年前のフェスを懐かしんだ。デビュー曲「AURORA TOKIO」では4万人の腕が揺れ、「最高過ぎるな」と幸せそうな表情を浮かべた。「人生は1回だけど、俺はBMSGに入れる、日高(光啓/SKY-HI ※高=はしごだか)さんに出会える、仲間に出会える人生で良かったと思います」と言ってから夏ソング「向日葵花火」へ。「BMSGに出会ってくれてありがとうございます。そして俺たちに居場所をくれてありがとう。そんな俺たちの大事な居場所に素敵なキャンドルを灯そうじゃないか。歌おうか」。KAIRYUを招き、BMSG POSSE初のオムニバスアルバム『TYOISM Vol.1(Deluxe Edition)』に収録されたKAIRYUとの「Candle」を披露。すっかり暗くなった空に二人の魅惑の歌が広がっていった。

 Aile The ShotaとKAIRYUに続き、REIKOとJUNONによる「First Christmas」が披露され、珠玉の歌のブロックに突入。REIKOが「JUNONくん、めちゃくちゃ早めのメリークリスマス!」と言えば、JUNONが「この会場全員をクリスマスの気分にさせてやりますよ」と意気込み、美しいハーモニーを聴かせた。低いビートが響き、何が始まるかと思ったら、MANATOの伸びやかな歌から、MANATO、KAIRYU、REIKO、KANONによるR&Bの新曲「BUBBLE」が披露された。4人は座りながら、深い影を宿した切ないバラードをしっとりと歌い上げた。この4人でR&Bを歌ってほしいと願っていた人は多いだろう。そんな願望が最高の形で叶えられるのも音楽集団BMSGならでは。

 絶品のR&Bチューンが続く。『THE FIRST』の最終審査・クリエイティブ審査NEOで結成されたAile The Shota、SOTA、MANATOによるユニットShowMinerSavageが「No Cap Navy」を披露。ブリッジで3人がダンスをするとどよめきが起きた。「No Cap Navy」の歌詞〈重なる瞬間 偶然じゃない〉にかけて、Aile The Shota「やっぱり偶然じゃなかったんだな」、SOTA「山梨から偶然じゃなかった」、MANATO「感謝山梨」というやりとりで今の状況が必然であることを伝えた後は、「ちょうど海が近いし」ということで「Ocean」を披露。

 SKY-HI、Aile The Shota、JUNON、LEO、TAKUTOという寅年生まれによる「Tiger Style」。スリリングな歌とラップが化学反応を起こす中、SKY-HIがJUNONの首元に噛みつこうとすると、JUNONは困惑しつつもうれしそう。オペラのような不穏な歌が聴こえ、ステージ上にはAile The Shota、SOTA、SHUNTO、RYUHEI、RAN、SEITO、RYUKI、TAKUTO、TAIKIの姿が。Maddy Somaの低音ラップとダークなビートが貫く新曲「Boogie-Woogie feat. Maddy Soma」。先ほど披露された新曲「BUBBLE」が歌で魅せるBMSGだとしたら、今度はダンスで魅せるBMSGだ。9人の見事なダンスに喝采が起こった。

 SOTAがバラの絵が描かれたフリップを笑顔で掲げ、次のアクトがHANAであることを示唆。BMSGとちゃんみながタッグを組んだガールズグループオーディション『No No Girls』から誕生し、今年4月に「ROSE」でメジャーデビュー。社会現象を巻き起こしている7人組グループが「Special Shot LIVE」として『BMSG FES』に初登場。プレデビュー曲「Drop」からパフォーマンス。海外を含め多くのフェスやイベントに出演し、磨き上げてきた歌/ラップ/ダンスの迫力を見せつける。「Tiger」のダンスブレイクのあと、ゆっくりと花道を歩きながらNAOKOが「皆さん、今日のHANAのステージを覚えておいてくださいね」と話し、YURIが「BMSG FES、ぶち上げろ!」とアジテートし、CHIKAがロングトーンで圧倒。「BMSG FESの皆さん、初めまして!HANAです!皆さんもっともっと熱くなってくれますか!」とCHIKAが言って、「Burning Flower」へ。MAHINAの〈聞こえない〉と〈くだらない〉のコール&レスポンス、CHIKAのトゥワークもばっちり決まる。KOHARUが「どんなに不格好でも頑張って咲く花は美しいと証明してみせます」と言って「ROSE」へ。

 SKY-HIが「HANAのみんな素敵だったよ!」という言葉とともに再登場。「NAOYAは被りつきで裏で見てたもんね?」と振ると、NAOYAは「全部踊れます~!」と胸を張った。NAOKOが「言いたいことがありまして!社長!全アーティストの皆さん!いつも応援してくれてる皆さん!今日見に来てくれたみんな!本当ありがとうございます!こうやってステージができるのも皆さんのおかげだし、音楽が楽しめる空間に皆さんと共にいられて本当に幸せです!良かったら皆さんいっしょに歌ってください!」と言うと、SKY-HIが「HANAのみんなの居場所はいつでもここにあるから安心してね!」と返した。フロートに乗り込んでみんなで「Blue Jeans」を歌唱。性別もグループの垣根もBMSGにはないのだ。4万人の〈Blue jeans 古いスニーカー〉という歌が響きわたった。最後、YURIが感極まりながら〈未来のことなんて 今だけは言わないで〉と歌うと、CHIKAが笑顔でYURIをハグした。

 SKY-HIが「端から端まで世界一かっこいいアーティストだらけでしょう!全員で伝説作るぞ!全員で歴史作るぞ!」と言って、BMSG ALLSTARSによる「Brave Generation -BMSG United Remix-」へ。Novel CoreからKANONへバトンを渡し、Novel CoreがKANONをがっしり抱き寄せる。TAIKIからRUI、REIKOからRAN、そしてMAZZEL、HANA、Aile The Shota、それぞれの物語が紡がれていく。SKY-HIが全員の名前を呼び、「We Are BMSG!You Know?」とスピット。SKY-HIの「One More Day feat. REIKO」にREIKOだけでなく、RAN、SEITO、KAIRYUという『MISSONx2』を受ける前、BMSG TRAINEEとして切磋琢磨する日々を送った顔ぶれが参加。RANが「ここから始まったぞ俺たちは!」と口にした。SEITOがREIKOの肩を抱くと、REIKOが感極まった表情を浮かべた。このふたりにもまた深い絆がある。SKY-HIが「楽しかった日も寂しかったあの夜もすべてに感謝!愛してるぜREIKO!」と叫ぶと、REIKOが「幸せでいっぱいです。みんなも大切な人を大切にしてください」と口にし、「次のアーティストはこの人だ! SKY-HI!」。

 「Crown Clown」、「It’s OK」と20年以上のキャリアに裏打ちされたスキルを見せつけ、自らがキングであることを証明していくSKY-HI。RYUKIとSHUNTOがジョインしての「ID」の後、「BMSGは世界一ヤベえヤツが集まってるところだってわかるだろ!そういう現場を作ってるあんたらも世界一ヤバいお客さんだと思ってるけど、世界一の中心でまだまだ盛り上がる準備はできてるか?」と言って、「Double Down」へ。人生をさらけ出した「タイトル未定」で4万人の心を射抜いた後は、新曲「Success is」。〈明日も良い日になりますように〉というラインがリピートされる今のSKY-HIの幸せが伝わるような楽曲だ。「すべての日々に、自分の人生に、そして今うしろにいる仲間に、目の前にいるあなたに、心から感謝してます! 同じ時代を共に生きてくれて、同じ時代に生まれてくれて、今生きていてくれて本当にありがとうございます!どの人生も尊いと思うけど、他の人生じゃなくてこの人生だけがいいなって心から思える日はそう多くはないから。2020年からここまで悔しい思いをしたり、裏切られちゃったと思うこともある。でもそのすべてを肯定してくれたヤツらもいる。でっかい夢見てるヤツが世界で一番かっこいいって俺にもう1回教えてくれたヤツがいるんだよ!最高にかっこいい仲間を紹介させてくれよ!最高の夢を見ようぜ!紹介するぜ!Here Comes STARGLOW」。

 SKY-HIがそう言うと、大歓声が上がった。ビジョンには、手の届きそうもない星を追いかけ、いつしかその星と同じくらいの輝きを自分から発光する、という想いが込められたSTARGLOWのロゴが燦然と輝く。BE:FIRST、MAZZELに続く3つ目のボーイズグループを誕生させるために開催されたオーディション『THE LAST PIECE』から生まれた、RUI、TAIKI、KANON、GOICHI、ADAMによる5人組グループ、STARGLOWの初のライブ出演だ。プレデビュー曲「Moonchaser」。RUI、ADAM、GOICHI、TAIKI、KANONと歌/ラップを繋ぎ、尖らせ切ったそれぞれのスタイルを融合させ、最強の五角形を形成していく。TAIKIが「BMSG FES、はじめまして!STARGLOWです!」とあいさつし、GOICHIが「俺たちの初のステージを目に焼き付けてください!」と言って、決意が漲(みなぎ)るラップの掛け合いへ。アウトロで5人でうしろを向き、駆け出し、星を掴むために思いっきりジャンプ。ADAMが「今日はSTARGLOWにとって大事な1個目のステージです。僕たちが持ってるもの全部をこの会場に置いて帰りたいと思います。『THE LAST PIECE』で共に歩んだ仲間たちに捧げたいと思います」と言って、RUIとTAIKIとKANONの楽曲であり、『THE LAST PIECE』の最後、苦楽を共にした仲間たちと歌った「Forked Road」を5人で歌った。ビジョンには『THE LAST PIECE』の日々が映った。

 『THE LAST PIECE』のテーマ曲「At The Last」をSKY-HIとSTARGLOWで披露。6人が気迫を込めて、必死で夢を掴むことの大切さを描き、未来に向けての決意を固めた後、SKY-HIとKANONにMAZZELとREIKOが加わり、『MISSONx2』に参加し、デビューを掴んだ面子による「MISSION」のパフォーマンスに突入。『MISSONx2』から約3年。ソロアーティストの道を選んだREIKO。STARGLOWとなったKANON。袂を分かったとしても、自分らしく誠実に音楽に向き合い、努力を続けていればまた一緒のステージに立てるのがBMSGだ。EIKI(MAZZEL)がKANONをハグし頭を撫で、この3年の努力を労った。『THE LAST PIECE』『MISSONx2』ときたら、ひとつ目のオーディション『THE FIRST』だろう。RUIが〈あの日夢物語と笑われた〉と「THE FIRST」のテーマ曲「To The First」を歌い出した。RYUHEI、SOTA、SHUNTO、Aile The Shota、LEO、MANATO、REIKO、JUNON、RAN…SKY-HI、『THE FIRST』のファイナリスト、SKY-HIが才能にほれ込み、最終審査の手前で直筆の誓約書を渡し、BMSG TRAINEEとなったRUIによる「To The First」。『THE FIRST』時の13歳のRUIは変声期で、〈放物線を描く〉を歌うときにキーを調整していたが、18歳のRUIは原曲のキーのまま歌えるようになった。この約4年間の尊さを象徴するひとこまだった。BMSGは、その人にとって一番幸せになれる場所で美しく咲くことができる場所なのだ。

 BMSGの歴史が次々と総括されたあと、ビジョンにはBE:FIRSTのロゴが映った。BMSG初のグループであり、国内ドームツアーを経て、今年初のワールドツアーを経験。格段とタフになったBE:FIRSTは「Secret Garden」からトリのパフォーマンスをスタート。MANATOの第一声から一気にオーディエンスを引き込む。さすがの掌握力だ。「Boom Boom Back」のイントロでSOTAが「What’s up、お台場!今日わかったっしょ?日本から世界を躍らせていくのはこのBMSGだ!」とぶちかます。新たなダンスブレイクで度肝を抜き、〈zoom, zoom, zoom〉という声が聴こえ、シームレスに「Mainstream」へ。アウトロが少しカットされて、静寂の中、SHUNTOがビートに乗り、「GRIT」へ。アウトロでRYUHEIとMANATOがフリースタイルダンスを披露。また新たなフェイズのしなやかなBE:FIRSTの姿にオーディエンスは熱狂。LEOが「4曲連続でかまさせてもらったんで、次はあなたにエールを送ります!」と言い、大量のタオルが舞った「Great Mistakes」。

 〈俺らなら大丈夫〉という説得力と音楽が生み出す多幸感が充満した「Blissful」。RYUHEIが「BMSG FESは毎年新しくて楽しくて刺激をもらえています。社長と事務所のメンバーとあなたたちに感謝を伝えるためにあと何曲かやりたいんですけど。スマホのライトを活かす時が来たんじゃないですか!」と呼びかけた。LEOが「充電ない人は帰りがあるから無理しないで」と気遣い、SHUNTOはたくさんのスマホライトが広がる光景を見て「BMSGもデカくなったなあ」としみじみ。LEOが「ライト一つひとつが皆の人生だと思うと尊いです。俺は今日あなたに会えて幸せです。『ありがとう』以上の言葉があったら伝えたいんだけど、あいにく俺は『ありがとう』しか持ち合わせてないので、心からの『ありがとう』を伝えさせていただきます。そんなあなたのためにBE:FIRSTはこれからも命を賭けて歌っていきます。BMSG一同これからもよろしくお願いします。みんなにとって今日が良い空であるといいな」と言って「空」へ。たくさんのスマホライトが揺れる中、BE:FIRSTはありったけの想いを込めて歌った。ステージには全アーティストが揃っており、最後は「せーの!」を合図にみんなでジャンプ。

 SKY-HIが「素晴らしい『空』のパフォーマンスをありがとう!」と言って、出演者の名前を1組ずつ挙げた後、Novel Coreが「絶対忘れちゃいけないぜ! この人が全部こっから始めたんだ! SKY-HI!」と最大のリスペクトを表してボスの名前を呼んだ。SKY-HIが「MVPはここに来てくれたあなた!何があっても音楽ファースト。音楽に誠実にやるべきことをやっていったら最高にかっこいい人になるってみんなが証明してくれたし、最高にかっこいい人が集まったら最高にかっこいい人生がたくさん生まれるっていうこともわかったんで、みんないろんなことあると思うけど一緒に頑張っていきましょう!俺たちがあなたの人生応援するぜ!俺たちがあなたの人生愛するぜ!音楽を持ってまたあなたに会いにいきます!We are!」と言って、30人が「BMSG!!」と声を合わせた。

 約4時間のフェス、最後は再び「GRAND CHAMP」だ。サビはHANAのメンバーがそれぞれSKY-HIと歌を重ね、GOICHI、ADAMのパートも加わったALL LINEUPの「GRAND CHAMP」。それぞれが歌う姿を見るSKY-HIの顔が本当に幸せそうだ。ビジョンに「FROM 2025 IT’S BEGUN」というメッセージが映り、花火が打ち上がって終演を迎えた。

 この場にいた誰もが、こんなにも音楽を通じて夢を見させてくれる存在と同じ時代を生きていることに喜びを感じたのではないだろうか。その夢にはまだまだ続きがある。これからのBMSGの動きも楽しみで仕方ない。

 なお、『BMSG FES’25』2日目のステージの模様がプライムビデオPPVにて5日までアーカイブ配信中だ。

文=小松香里