平日の日中の宮町商店街=燕市

 東京電力柏崎刈羽原発の再稼働に同意するのか、しないのか-。国からの要請を受け、新潟県は選択を迫られています。花角英世知事は県民の受け止めを見極めて判断すると公言し、その判断材料は間もなくそろう見通しです。再稼働の是非は知事の政治判断に委ねられていますが、肝心の新潟県民はどう考えているのでしょう。新潟日報の記者が全37市区町村、県内津々浦々を訪ね、再稼働問題への率直な意見に耳を傾けます。

 金属洋食器の国内生産シェア9割以上を誇り、「金物のまち」として知られる燕市。新潟県のほぼ中央に位置し、市の一部は柏崎刈羽原発から30キロ圏内に含まれています。10月19日には市長選挙が行われ、新市長が決まったばかりです。選挙戦終盤の17日、市内で取材しました。

◆市長選では争点にならず…「よそ者の私たちが意見できる問題ではない」

 最初に向かったのは中心部の宮町商店街。平日の日中は人通りがまばらです。歩いていると、2011年の東日本大震災後に宮城県から移住してきたという女性(36)に出会いました。

 東京電力柏崎刈羽原発の再稼働について、女性は「安全を考えれば、原発はない方がいい。けれども電気はインフラ。再稼働はしょうがないのかもしれない」と複雑な表情。震災発生当時は、...

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