数多く残る古文書を読み解き、成果を発信した大場喜代司さん=2022年10月、村上市片町の自宅
数多く残る古文書を読み解き、成果を発信した大場喜代司さん=2022年10月、村上市片町の自宅

 新潟県村上市の郷土史家、大場喜代司(きよし)さん=村上市片町=が3月27日、肝臓がんのため亡くなった。85歳だった。葬儀は既に執り行われた。村上藩の統治の下、町が繁栄した江戸期を中心に研究。数多くの著書で地元の歴史の魅力、奥深さを伝えてきた。関係者からは「郷土史にとっては大きな損失」と悼(いた)む声が上がった。

 大場さんは1938年、村上市生まれ。83年から専門員として市史の編さんの中心的な役割を果たした。

 著書も多く、村上藩260年の歴史をまとめた解説書などを執筆。幅広い知識と郷土への愛情を生かし、村上城主・本庄繁長(しげなが)、村上藩主・堀直竒(なおより)を題材とする小説も残した。傘寿を...

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