
「新潟競馬場の開設60年とウマ娘が何の関係があるのか?」ー。記事のタイトルを読み、そう思った方もいるかもしれない。それでも、現在の競馬人気は『ウマ娘 プリティーダービー』(以下、ウマ娘)の一連のコンテンツを抜きにして語ることはできないはずだ。ゲームは2300万ダウンロードを突破。アニメや漫画なども人気を呼び、年代性別を問わずに新規の競馬ファンを引きつけている。史実ともリンクするストーリーの作り込みはいにしえの競馬ファンも驚くほどだ。
そこで今回は、『ウマ娘』を紹介するとともに、新潟競馬場(レース場)との関わり、新潟がどう描かれているのかを探ってみたい。競馬ファンには、違った側面から競馬やウマ娘の魅力を再認識してもらい、ウマ娘ファンには、ぜひ新潟や新潟競馬場に興味を持つきっかけになればと思う。
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『ウマ娘』とは?

新潟日報社の過去データベースで「ウマ娘」という言葉を検索すると、最初に登場するのは2021年、引退馬支援の寄付が急増し、それがゲーム効果だということを伝える記事。それから、地方競馬とのコラボなどが取り上げられている。ただ、出てくる記事はそう多くはなく、しっかり説明している記事はない。そのため、まずは『ウマ娘』について説明することにしよう。
公式の説明では、上記のようなものだ。実在の名馬をモチーフとしたキャラクター(ウマ娘)たちが「トレセン学園」で学園生活を送りながら、レースでの活躍を目指していく物語。育成シミュレーションゲームであり、そのドラマはアニメや漫画など多方面で描かれている。例えば…。

第1クールが終わったばかりのアニメ『ウマ娘 シンデレラグレイ』はオグリキャップ(画像の中央)が主人公のストーリーで、漫画からアニメ化された。
アニメシリーズで言えば、第1期がスペシャルウィークやサイレンススズカなどが登場する物語で、2期はトウカイテイオーとメジロマックイーンを中心に描かれた。3期はキタサンブラックとサトノダイヤモンドを巡るストーリーだ。競馬ファンでなくても、一度は聞いた名前があるかもしれない。
ゲームでは、そんなウマ娘たちの「トレーナー」となり、自分でウマ娘を育成することができる。



これは、サイレンススズカを「URAファイナルズ」という育成シナリオで育成した画面。現在まで、育成方法などが異なる育成シナリオが11種あるほか、その中で各キャラ独自のストーリーも展開される。自分で出場するレースを選ぶことができ、モチーフとなった実在馬が勝てなかったレースに挑むなど、ifの展開を楽しめるのも魅力の一つ。サイレンススズカの天皇賞秋も……、実際に体験してみてほしい。
これがゲームの基礎の基礎。このほか、全国のトレーナーと育成したウマ娘を競わせたり、イベントに挑戦したり、多彩に用意されたストーリーを見たり、いろいろな角度で楽しむことができる。実在馬をモチーフとしたウマ娘は100人以上登場。6月には英語版もリリースされ、その人気は国内にとどまらない広がりを見せている。
新潟を駆けた「ウマ娘」
ウマ娘たちは、実在の競走馬から名前と魂を受け継いでいる。ウマ娘それぞれの勝負服(レースで着用する衣装)や髪色、たたずまいなどから、どこか共通点が感じ取れるかもしれない。ここでは、新潟競馬場を走ったことのある名馬をモチーフとするウマ娘たちを紹介しよう。

シンボリルドルフ
皇帝の異名通り、勝負服にも威厳が漂う。実在の名馬シンボリルドルフは、史上初めてGⅠ7勝を達成した七冠馬。実は新潟の芝1000mの新馬戦でデビューしている。主戦を務める岡部幸雄騎手...