深い悲しみ癒やす光に

復興

経費膨張 悪影響を懸念

 東京五輪は誘致の際から東日本大震災を踏まえ「復興五輪」を掲げてきた。

 「怒りを覚えた」「時期尚早だ」。福島県南相馬市原町区で整骨院を営む草野謙一郎さん(46)と妻の峰子さん(40)は東京開催が決まった2013年当時、開催を決して受け入れられなかった。津波、そして東京電力福島第1原発事故の痛手が心をかたくなにさせた。

 謙一郎さんは1930年から続く老舗の3代目。原発事故で自宅兼店舗が緊急時避難準備区域に入り、湯沢町に転居した。区域の解除後も峰子さんと湯沢にとどまり、「越後ゆざわ分院」を開業。しかし謙一郎さんが体調を崩したことから閉院し、2014年に南相馬に戻った。

 復調し、16年から現地で整骨...

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