平野徹医師
平野徹医師

 4年ほど前に手足のしびれを感じ、首の脊髄が細くなっていると診断されました。首の脊髄を広げる手術は受けずに様子を見ることにしましたが、1年前からしびれが強くなり、腰や腹回りも突っ張ってきました。対処法を教えてください。(新潟市西区・67歳男性)

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 手足のしびれがあり、首の脊髄が細くなっていると診断されたことから、最も疑われるのは頚部(けいぶ)脊髄症です。これは椎間板の出っ張り、厚みが増した靱帯(じんたい)、骨のとげ、骨に置き換わった靱帯(骨化靱帯)などによって首の骨の中にある脊髄が圧迫され、手足のしびれや箸の使いにくさ、字の書きづらさ、歩行時のふらつきといった症状が現れる病気です。

 50歳以上の人に多く、男性は女性の2倍なりやすいといわれています。しかし頚部脊髄症に似た他の病気もあるので、まずはきちんとした診察や適切な画像検査に基づく診断を受けることがとても重要です。

 頚部脊髄症の場合、症状が軽ければ安静目的の装具の装着やけん引などが有効な場合もありますが、効果は限定的です。また、この病気のしびれに対し、科学的に有効性が確認された薬はありません。

 よって、特に症状が進行している場合には、脊髄の圧迫を取り除く唯一の方法として、手術が推奨されます。首の前から切開する手術と首の後ろからの手術があり、患者さんの状態によって決めます。首の手術と聞くと怖いと感じるかもしれませんが、比較的安全性の高い手術です。

 症状が長期間続いた場合や進行してしまった場合には、手術の効果が低くなる傾向にあるので、診断と治療のタイミングが重要です。

(魚沼基幹病院・整形外科)