
片貝まつりで打ち上げられる花火を紹介する大型番付。追善供養や誕生祝いなど、人々はそれぞれの思いを込めて花火を奉納する=小千谷市片貝町
400年の伝統を誇り、世界最大級の四尺玉花火でも知られる新潟県小千谷市の片貝まつりが9月9、10日に開かれる。浅原(あさはら)神社(片貝町)の秋季例大祭として住民らは、人生の節目を祝ったり、亡き家族の追善供養をしたりと、さまざまな思いを込めて花火を奉納する。「花火のまち」のメインイベントである片貝まつり。2023年、人々が大輪の数々に託す思いを見つめる。(2回続きの2)
× ×
「尺玉二発追打(おいうち)」「尺玉三発同時打」…新潟県小千谷市片貝町の県道交差点に設置された大型の花火番付は、9月9、10日に打ち上がる花火を紹介している。片貝まつりの花火は、亡くなった人の追善供養や、子どもの誕生祝いなど、人々がさまざまな思いを込めて浅原神社にささげる奉納花火だ。
奉納花火の歴史は古い。小千谷市史などによると、発祥の時期は不明だが、少なくとも江戸時代後期の1800年代には、家内安全や五穀豊穣などを願って花火を打ち上げる習慣がすでに定着していた。
片貝町煙火協会によると2023年は、...
残り1012文字(全文:1457文字)