ハスが消失した佐潟で、高校生らと一緒にカメを捕獲する飯田武さん(右から2人目)=新潟市西区赤塚
ハスが消失した佐潟で、高校生らと一緒にカメを捕獲する飯田武さん(右から2人目)=新潟市西区赤塚

 水鳥が生息する国際的に重要な湿地であるとして、ラムサール条約に登録されている佐潟(新潟市西区)。冬にはコハクチョウやマガモなど野鳥が数多く飛来する砂丘湖だ。夏には湖面いっぱいにハスが桃色の花を咲かせていたが、2018年にハスが消失して以降、その光景は見られなくなった。市民有志は「佐潟の夏を取り戻そう」と、ハスなどの水生植物を食い荒らしている外来種のカメの捕獲に取り組んでいる。(運動部・森田雅之)

 「仕掛けが重いぞ」。7月下旬、額に大粒の汗を浮かべながら、新潟市西区赤塚出身の飯田武さん(45)が、仲間とともに水面に仕掛けたカメ捕獲用のわなを引き揚げた。かごの中には10匹近いカメがうごめく。捕獲したカメを大きな桶(おけ)に入れると、「メス、19センチ、1360グラム」などと、慣れた手つきで次々と大きさなどの情報を記録した。

 この日は、環境問題や生物に関心を寄せる高校生2人も同行。飯田さんらは雌雄や種類の見分け方、カメの生態などを説明しながら、約3時間かけて17個のわなを引き揚げた。

 新潟市からカメの駆除を委託された業者からの依頼を受け、飯田さんらは24年度にカメ用わな10個を仕掛けた。すると、...

残り778文字(全文:1281文字)