太鼓をたたき、題目を唱えて金山周辺を巡り、坑道跡や無宿人の墓前で手を合わせた供養祭=佐渡市相川地区
太鼓をたたき、題目を唱えて金山周辺を巡り、坑道跡や無宿人の墓前で手を合わせた供養祭=佐渡市相川地区

 江戸時代、金山の坑内で水をくみ上げる「水替(みずかえ)」と呼ばれる労働に従事させられた無宿人の供養祭が、新潟県佐渡市相川地区の史跡佐渡金山周辺で行われた。約60人が坑道跡や墓地などを巡り、鎮魂を祈った。

 無宿人は飢饉(ききん)などで家や仕事を失うなどして無戸籍になった人たち。幕府の治安対策として捕らえられ、1800人以上が江戸や大阪、長崎などの天領地から佐渡に送られた。過酷な鉱山労働に当たり、大半が相川で亡くなったとされる。

 供養祭は4月21日に行われた。相川日蓮宗護法会の主催で、1973年に始まり、52回目を数える。

 参加者は江戸時代の露天掘り跡「道遊の割戸」を望む史跡佐渡金山の駐車場から...

残り244文字(全文:544文字)