東京高等裁判所が入る合同庁舎
東京高等裁判所が入る合同庁舎

 新潟県の五泉市議会の本会議などで議長らに質問を妨げられ、議員としての権利を侵害されたとして、元五泉市議会議員の男性(46)が五泉市に対して約150万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が東京高裁であった。佐々木宗啓裁判長は男性の請求を棄却した一審新潟地裁判決を支持し、控訴を棄却した。判決は6月27日付。

 判決などによると、男性は議員だった2012年3月〜21年6月、市議会や委員会で質問しようとした際、執拗(しつよう)に議長や委員長から質問を妨害され、発言の自由を侵害されたなどと主張していた。

 男性は請求を棄却した一審地裁判決を不服として2024年1月に控訴。控訴審でも、発言打ち切り行為は議員の活動侵害に当たることや、議長による名誉毀損の発言があったなどと主張した。

 東京高裁は、議長らが質問などを制止した判断が裁量権の範囲を逸脱したとは認められないなどとした一審判決を採用し、男性の主張を退けた。

 男性は「名誉毀損(きそん)に当たるような発言も問題がないかのように受け取れる判決で不満がある。上告については弁護士と相談して検討したい」としている。