村上健治医師
村上健治医師

 両目とも加齢黄斑変性で注射の治療をしています。1年間で8回行いました。このままずっとこの方法しかないのかと思うとつらいです。お金もかかります。アドバイスをお願いします。(見附市・64歳女性)

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 加齢黄斑変性は、日本人の失明原因で第4位の疾患です。網膜の中心の黄斑部に加齢による変性が起こってゆがみ、視力低下を自覚します。日本人の平均寿命が延びるに伴い、最近は増加傾向です。

 さまざまな治療が試みられてきましたが、現在では抗VEGF薬(血管内皮増殖因子阻害薬)を眼球内に直接投与する硝子体内注射が最も有効で多く行われている治療法になります。まずは1カ月ごとに3回注射して、その後は病状に合わせて投与間隔を調整します。眼内に注射した薬剤は代謝されてなくなってしまいますので、定期的に投与を続ける必要があります。1回の注射で永遠に効果がある薬剤はありません。

 以前は薬剤の有効期間が1カ月でしたが、現在では最長3カ月のものもありますので、経済的な負担も改善されています。今後一層有効期間が長い薬剤が出てくる可能性もあります。間もなくジェネリック薬品も登場予定ですので、金銭的負担はさらに減るでしょう。

 まずは、ある程度病状が落ち着くまでは投与を続けましょう。病状が落ち着けば、投与間隔を徐々に延ばすことが可能であり、症例によっては鎮静化して投与を中止できる場合もあります。10年前までは有効な治療法がなく諦めるしかなかった病気が、比較的簡単に治療ができる時代になってよかったと前向きに考えましょう。

(新潟市民病院・眼科)