河岸段丘に広がる沖ノ原遺跡。ブルーシートがかぶせられた箇所は、今夏の発掘再開まで保全しているエリアだ=津南町赤沢(本社小型無人機から、長岡支社・新井田悠撮影)

 夏が近づくと、個人的に「恐竜の季節がやって来た」と感じる。理由は、恐竜映画の公開時期が夏ごろに多いから。小学生から見続けているが、新作になるにつれて恐竜たちの種類は増え、羽毛がある恐竜が登場するなど姿形も少しずつ変わっている。現代の研究成果が反映されているかと思うと、より一層わくわくしてしまう。

 大昔の恐竜の姿を想像できるのも、発掘の成果にほかならない。そんな発掘現場を一目見たいと思っていた。

 取材で訪れる新潟県津南町は、縄文時代を中心に多くの遺跡が見つかる。中でも、河岸段丘の上段に広がる沖ノ原遺跡(津南町赤沢)は国指定の史跡で、火焰(かえん)型土器が出土したほどだ。

 遺跡の本場ならば、各地で発掘も頻繁に行われているはず。「体験実習館なじょもん」(津南町下船渡)を拠点に遺跡調査を担う津南町教育委員会に問い合わせると、「試掘の予定がありますよ」と教えてくれた。

 恐竜などの化石とは異なり、文化財となる遺跡は保護の対象だ。現場に同行すると、ドキドキの体験が待っていた。

 新潟県内を見渡すと、糸魚川市には化石の発掘を気軽に体験できる施設もある。遺跡調査における発掘の意味や必要性も教えてもらいながら、遺跡にも化石にも迫ってみた。...

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