
新型コロナウイルスのオミクロン株拡大を受け、保育園児のマスク着用について国が方針を出しました。無理なく着用できると判断される子に「可能な範囲」で推奨し、2歳未満には推奨していません。幼児のマスクをどう考えたらいいのでしょうか。小児感染症学の専門家に解説してもらいました。
<イラスト・報道部 高橋佐紀>
Q 幼児もマスクをした方がいいでしょうか。
A 着けるに越したことはありませんが、幼児で適切にできる子は少ないです。外す、ずらす、鼻を出す、表面を触る、口に入れる…。感染防止には限界があります。「してくれたら、もうけ物」くらいの気持ちでいた方がいいでしょう。
Q 5~6歳くらいの子ではどうですか。
A 単に「着けなさい」ではなく、「マスクは口や鼻を隠して自分を守り、周りにウイルスを広げないために大事なんだよ」と目的を説明してください。そうしたら頑張って着けるかもしれません。説明の大切さは保護者だけでなく、保育園や小中学校などでも同様です。外したり鼻を出したりしても怒らず、優しく声掛けを。子どもに完璧を求めるのは、かわいそうです。
Q 着用の注意点は。
A 特に2歳未満は口に入れて窒息することがあるので、使わないでください。夏は熱中症に注意が必要です。障害のある子はマスクの目的について理解が難しい場合があり、その子に応じた対応を。マスクの種類は効果の面から不織布が一番です。公園で子どもが密集している時や人混みでは着用し、周りに誰もいない場合は外すなど、着脱のめりはりも大切です。
Q 子どもの間でも感染が拡大しています。
A ワクチンを接種していない11歳以下の子どもに特に感染が広がっています。海外のデータから、5~11歳のワクチン接種は、一定程度の効果が期待できます。安全性は確認されていますので、接種を検討してください。
(新潟大医学部の齋藤昭彦教授に聞きました)
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