
現代象徴天皇制の研究で知られる名古屋大大学院准教授の河西秀哉さん
8月15日、全国戦没者追悼式で天皇は「お言葉」を述べました。天皇はこれまでの定型の表現に「戦中・戦後の苦難を今後とも語り継ぎ」という文言を加え、自身の思いを伝えました。戦後80年の今年、この追悼式の「お言葉」がどうなるのかが話題となっていました。なぜ注目されたのでしょうか。
▽戦争への向き合い方
追悼式が毎年8月15日の恒例行事として挙行されるようになったのは、1963年のことです。このときは、日比谷公会堂で開催されました。64年には靖国神社で行われたこともあります。現在のように日本武道館が使われるようになったのは65年で、これは日本武道館が前年に完成し、靖国神社や千鳥ケ淵戦没者墓苑に近く、...
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