三線軌条に入線する際に散水を浴びるロマンスカーGSE70000形=入生田駅構内
 三線軌条に入線する際に散水を浴びるロマンスカーGSE70000形=入生田駅構内
 単線の三線軌条から狭軌の線路が分岐する複雑なポイント=入生田駅構内
 箱根湯本駅を出発してさっそく80パーミルの急勾配に挑む最新の3000形「アレグラ号」
 最初のスイッチバックとなる出山信号場に向け登ってきた2000形「サンモリッツ号」
 かつて三線軌条だった小田原―入生田間には、撤去された3本目の線路の跡が残る(左側レールの外側。内側にあるのは脱線防止ガード)

 「残暑」どころか「猛暑」が続いた8月の末、家族連れやインバウンドの観光客でにぎわう箱根の玄関口・箱根湯本温泉の近くにある「神奈川県立生命の星・地球博物館」(小田原市入生田)で、「日本地図学会」の定期大会が開かれ、末席に参加した。地図や測量の研究者、地理教師の卵たちも集まるこの催し。地図好きは鉄道好きとも重なるようで、鉄道関連の著書多数という尊敬する大先生も登壇され、火山防災に役立つ最新の地図づくりから空想地図の楽しい意義づけまで、休憩中の雑談も盛り上がった。

 さて、最寄り駅が小田急箱根鉄道線(箱根登山電車)の入生田(いりうだ)駅である。目立たない小さな駅だが、ここでは車輪の幅が異なる電車が同...

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