
カウンセリングオフィス「VISION」を開設した杉本篤言さん。「利用者の状態に合わせて最適な治療法を選んでいる」と語る=新潟市中央区花園1
児童虐待や災害、パワハラなどでトラウマ(心的外傷)を負った人の治療を専門とするカウンセリングオフィス「VISION(ビジョン)」が、新潟市中央区に開設された。精神科医や臨床心理士が心の痛みに寄り添い、カウンセリングによって投薬なしで治療する。治療を受けた利用者からは「フラッシュバックが落ち着いた」と症状の緩和を実感する声も。関係者は「トラウマは治療できるということを知ってほしい」と呼びかける。
運営の中心として活動するのは、新潟大大学院特任准教授で児童精神科医の杉本篤言さん(44)。開設のきっかけは、虐待被害に遭った子どもを診察した際に、その親も虐待を受けた経験があるケースが多かったことだった。
トラウマ治療は潜在的なニーズがある反面、...
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