国会周辺で演説する加藤陽子東大教授(左から3人目)ら=4日
 国会周辺で演説する加藤陽子東大教授(左から3人目)ら=4日
 日本学術会議を特殊法人化する新法の成立に抗議する市民ら=11日午後、国会周辺
 学術会議法人化による懸念点

 日本学術会議を特殊法人化する新法が成立した。政府は、学術会議を国から切り離すことで組織の独立性や機能が高まるとアピールする。一方、学術会議は、政府から介入を受けることで、自由な活動が阻害されることを危惧。「学者の国会」としての役割を果たし続けられるかどうか警戒する声が強まっている。

 ▽いら立ち

 「日本の学術の『終わりの始まり』を法律で仕上げるものだ」。学術会議会員の川嶋四郎同志社大教授は声明で新法を強く批判した。参院の参考人質疑では「政府依存型の組織につくり替えられてしまう」と訴えた。

 学術会議が独立性を重視するのは2020年、菅義偉首相(当時)に任命拒否された新会員候補者6人が過去に政府の...

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