東日本大震災で被災した仙台市東部、蒲生地区の小学校=2011年4月(村上幸一さん提供)
 東日本大震災で被災した仙台市東部、蒲生地区の小学校=2011年4月(村上幸一さん提供)
 朗読劇「みんな一緒に行きたかった」の一場面(郷愁館のユーチューブチャンネルから)
 「蒲生なかの郷愁館」で、震災からの復興の過程を語り合う小山田陽さん(右端)と下山正夫さん(右から2人目)、村上幸一さん(左端)ら=7月、仙台市宮城野区
 東日本大震災発生直後の会議録を振り返る村上幸一さん=7月、仙台市宮城野区
 仙台市・蒲生地区

 「仲が良く、結束力の強さが自慢」「目をつぶっても歩けた街でした」。そんな住み慣れた故郷が津波に襲われ、離れざるを得なくなった住民たちが、希望する土地に集団移転するため行政と交渉するもかなわない―。東日本大震災から11日で14年半。仙台市東部、蒲生地区の住民が復興に向けてたどった過程を追った朗読劇が完成した。

 劇の題名は「みんな一緒に行きたかった」。結末はハッピーエンドではないが、制作した伝承施設「蒲生なかの郷愁館」運営担当小山田陽さん(47)は「街を災害後どうするか話し合うのはどの被災地も共通だ。対話を試みた住民の経験は、参考になるはず」と話す。

 蒲生地区には震災前、約3千人が暮らしていた。...

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