改正給特法などが成立し、記者会見する日教組の山木正博書記長=11日午後、東京都内
 改正給特法などが成立し、記者会見する日教組の山木正博書記長=11日午後、東京都内
 参院本会議で教員給与特別措置法などの改正法が可決、成立し、一礼する阿部文科相=11日午前

 教職人気低迷の背景には、長時間労働が常態化した勤務環境がある。教員給与特別措置法(給特法)などの改正で給与面の改善は一歩進んだが、「定額働かせ放題」とも言われる給与体系は温存された。教員不足の解消には、学校現場が最も望む業務量削減と長時間労働の是正の実現が必須。対策が効果を上げなければ、不足に拍車がかかる恐れもある。

 ▽手いっぱい

 「『やらないよりはまし』といったレベル」。近畿地方の公立中の男性教諭(28)は今回の法改正をこう受け止める。給与が少しでもアップすることは前進と捉えているものの、最も必要なのは「人」と訴える。

 現在の業務量は「管理職の裁量だけでどうにかできるものではない」。学級担...

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