取材に応じる長崎大の鈴木達治郎客員教授
 取材に応じる長崎大の鈴木達治郎客員教授
 取材に応じる佐賀県玄海町の脇山伸太郎町長

 共同通信社が都道府県知事を対象に実施したアンケートでは、高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場受け入れに前向きな声はなく、原子力政策が袋小路に陥る現実が浮かび上がった。賛否の決断を迫られる首長の負担が重いのが一因で、識者からは「選定方式を抜本的に見直すべきだ」との声も上がる。

 ▽つらい経験

 「全国規模の話題になることはつらかった」。第1段階の文献調査受け入れから1年を迎えた5月、佐賀県玄海町の脇山伸太郎町長は当時の心境をこう振り返った。

 九州電力玄海原発を抱える玄海町は国が2017年に公表したマップで、ほぼ全域が処分場の用地に好ましくないとされた。脇山氏は慎重な考えだったが、町議会が調...

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