2018年7月の西日本豪雨で冠水した岡山県倉敷市真備町
 2018年7月の西日本豪雨で冠水した岡山県倉敷市真備町
 大雨をもたらす「大気の川」について説明する筑波大の釜江陽一助教=5月、茨城県つくば市
 筑波大の釜江陽一助教
 大雨をもたらす「大気の川」について説明する筑波大の釜江陽一助教=5月、茨城県つくば市
 「大気の川」が大雨をもたらす仕組み(イメージ)

 列島各地が梅雨入りし、本格的な雨の季節となった。9日には鹿児島県で今年初めての線状降水帯が発生した。大雨のメカニズムについて研究する筑波大の釜江陽一助教(気象学)は、上空に大量の水蒸気が流れ込む「大気の川」という現象に注目。「地球温暖化で雨のもととなる大気中の水蒸気量は増えている。そうなると大雨の可能性が高まるため、警戒が必要だ」と話す。

 ▽熱帯からの流入

 豪雨の要因となる線状降水帯はどのように発生するのか。大気の川は、熱帯の水蒸気が日本などの中緯度地域の上空に大量に流れ込む現象だ。水蒸気流量の多い領域が長さ1500キロ以上、幅数百キロに及んだ場合などと定義される。水蒸気の多さから、上空に川...

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