
中国海軍の空母「遼寧」(防衛省統合幕僚監部提供)
中国海軍の空母「遼寧」と「山東」が小笠原諸島海域にそろって姿を現した。2隻同時に太平洋で活動するのは初めてで、自衛隊機への接近事案も発生。遠洋での運用能力強化に向けた動きを本格化させたとみられ、防衛省内には「局面が変わった」と警戒感が広がる。関税問題に傾注するトランプ米政権の隙を突き、安全保障面の「パワーバランス」に揺さぶりをかけたとの見方もある。
▽予想以上
「中国軍の活動区域が拡大し、活発化していることを非常に警戒しなくてはならない。危機感は高まっている」。防衛省制服組トップの吉田圭秀統合幕僚長は12日の記者会見で厳しい表情を浮かべた。
5月末に沖縄周辺で艦載機の発着艦訓練をしていた遼寧...
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