中国海軍の空母「遼寧」(防衛省統合幕僚監部提供)
 中国海軍の空母「遼寧」(防衛省統合幕僚監部提供)
 中国海軍の空母「山東」(防衛省統合幕僚監部提供)
 中国海軍の空母「山東」から発艦し、海上自衛隊のP3C哨戒機の至近距離に接近したJ15戦闘機=8日(防衛省提供)
 第1列島線、第2列島線、日本・沖縄、伊豆諸島、南鳥島、沖ノ鳥島、中国、フィリピン、台湾、グアム

 中国海軍の空母「遼寧」と「山東」が小笠原諸島海域にそろって姿を現した。2隻同時に太平洋で活動するのは初めてで、自衛隊機への接近事案も発生。遠洋での運用能力強化に向けた動きを本格化させたとみられ、防衛省内には「局面が変わった」と警戒感が広がる。関税問題に傾注するトランプ米政権の隙を突き、安全保障面の「パワーバランス」に揺さぶりをかけたとの見方もある。

 ▽予想以上

 「中国軍の活動区域が拡大し、活発化していることを非常に警戒しなくてはならない。危機感は高まっている」。防衛省制服組トップの吉田圭秀統合幕僚長は12日の記者会見で厳しい表情を浮かべた。

 5月末に沖縄周辺で艦載機の発着艦訓練をしていた遼寧...

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