コメの統計見直しを巡る構図
 コメの統計見直しを巡る構図

 農林水産省が、約70年続けてきたコメの作況指数を廃止する。過去30年の傾向との比較で作柄を算定する手法が、猛暑など気候変動の影響で現場の実態と合わなくなったためだ。農水省がコメの収穫量を正確に把握できなかったことが今回の価格高騰の一因になったとの批判も噴出する中、統計見直しで価格を中長期的に安定させられるかどうかが問われる。

 ▽疑念

 「農業政策の新たな基盤を確立していきたい」。小泉進次郎農相は16日に農水省内で記者団の取材に応じ、統計見直しの狙いをこう語った。

 作況指数の発表は1956年に始まり、長くコメ政策の判断材料の一つとなってきた。

 農水省は2024年産の収穫量は23年よりも増加し、作...

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