
日銀を取り巻く状況
日銀は政策金利の据え置きを決め、金融政策が米政権の高関税策によって足止めされる構図が鮮明になった。日米交渉は成果が見えず経済への影響が懸念されるほか、夏に参院選を控え、政治への配慮も透ける。大規模金融緩和からの脱却に向けた国債の買い入れ減額は、長期金利の急騰回避など市場の安定を重視しペースを緩めた。金融正常化に向け難路が続く。
▽不確実
「見守るしかないが、後ずれすればするほど通商政策を巡る状況が不確実だという判断は続いていく」。日銀の植田和男総裁は17日の記者会見でこう述べ、日米の関税交渉の進展の遅れに危機感をあらわにした。
5月の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で不確実性に関し「...
残り758文字(全文:1058文字)