
トランプ米大統領との会談を終え、記者の質問に答える石破首相=16日、カナダ西部カナナスキス(代表撮影・共同)
日米関税交渉は、首脳会談を経ても協議の継続でしか一致できない“肩すかし”に終わった。日本政府は念入りに準備を進めたが、本丸の自動車関税の牙城を崩せなかった。関税を武器にした「ディール(取引)外交」に自信を見せていたトランプ政権も成果に乏しい。両国とも見通しの甘さを露呈している。
▽五里霧中
「本当に率直な意見交換だった」。首脳会談を終えた石破茂首相は記者団に手応えを語った。しかし、進捗を問われると「どこまで進展したかは最後の最後まで申し上げるべきものではない」とけむに巻き、議論が弾んだ様子は最後までうかがえなかった。
首相は米政権が高関税政策を打ち出すといち早く交渉に乗り出し、米側から「優先...
残り978文字(全文:1278文字)