
16日、G7サミットが開かれたカナダ西部カナナスキスで、言葉を交わすトランプ米大統領とカナダのカーニー首相(左)(ロイター=共同)
カナダ西部カナナスキスで17日閉幕した先進7カ国首脳会議(G7サミット)は、中東やウクライナの情勢を話し合った一方、気候変動対策やジェンダー平等、性的少数者の権利擁護は議題から排除された。トランプ米大統領の参加を促そうと議長国カナダが配慮したためで、G7が共有してきた価値観を打ち出す外交の後退が目立った。
▽釈明
「米大統領との摩擦を回避するために気候変動対策を削除したのか」。16日のサミット開幕前、重点課題について記者団に問われたカナダ政府高官は、気候変動対策に関しては山火事対策や重要鉱物の供給網に関する討議の中で触れると釈明に追われた。
だが、G7首脳が17日に発表した山火事の被害軽減に...
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