
「ひめゆりの塔」で開かれた慰霊祭を終え、手を合わせる人たち=23日午前、沖縄県糸満市
沖縄は23日、80年目の「慰霊の日」を迎えた。「ありったけの地獄を集めた」と表現される地上戦を経験した沖縄の人々は戦後、平和を希求し続けてきた。だが近年、政府は防衛力強化を続け、一部の政治家は歴史を顧みないかのような持論を展開。「戦争の恐ろしさを伝え続けていく」。沖縄戦を直接知る世代が少なくなる中、いかに惨禍の記憶を受け継いでいくかが問われている。
▽血にじむ努力
「国会議員によって資料館の展示や沖縄の平和教育を否定する発言がなされ、非常に憤りを感じている」。糸満市の「ひめゆりの塔」で開かれた慰霊祭。ひめゆり同窓会の知念淑子会長(96)が怒気をにじませ語った。
5月3日、自民党の西田昌司参院...
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