
25日、オランダ・ハーグでNATO首脳会議に臨むトランプ米大統領(ロイター=共同)
オランダ・ハーグで開かれた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議は、米大統領に復帰したトランプ氏が求めた防衛費増額を議論の中心とした。一方、ロシアの侵攻を受け続けるウクライナの加盟や支援については、同氏の消極姿勢に配慮して主要議題にせず、機運の後退を印象付けた。開幕直前に行われた米国のイラン攻撃を巡っても欧米の温度差が露呈、NATOの結束に暗い影を落とした。
▽方針転換
「今はNATO入りを訴えるよりもトランプ氏に和平仲介を続けてもらう方が重要だ」。ウクライナ政府高官は会議前、トランプ氏との関係保持を優先し、加盟を急ぐ方針を転換したと認めた。
今回の会議でゼレンスキー大統領は首脳の討議には招か...
残り811文字(全文:1111文字)