
千葉県多古町の住宅近くで違法に盛られ、崩落し県道に流れ込んだ土砂=2021年6月(同町提供)
不適切盛り土の撤去に関する「行政代執行」で、多額の工事費用が回収できていない実態が明らかになった。自治体側は盛り土の造成業者に接触を図るが、連絡が取れなくなるケースも。財産がなく差し押さえもできない事態には困惑の声が聞かれる。5年以上前の代執行を巡り徴収を断念した自治体もあり、識者は小規模工事で費用が抑えられるよう「住民の協力も得て、不適切な盛り土を早期に発見する必要がある」と訴える。
▽消滅時効
無許可で土砂が埋め立てられていた大阪府岸和田市河合町の山林。近くに住宅が点在し、台風で土砂崩れが発生したこともある。京都市の建設業者が撤去や勧告の命令に応じず、府は2017年に代執行に踏み切った。...
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