鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられるH2Aロケット50号機=29日未明
 鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられるH2Aロケット50号機=29日未明
 鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられるH2Aロケット50号機=29日未明
 日米欧の主な大型ロケット

 日本の人工衛星や探査機の輸送を24年にわたって担ったH2Aロケットが引退した。98%と高い成功率を誇った一方、国内外からの商業打ち上げの受注には苦戦した。後継のH3は国際競争力の強化が目標の一つ。低コストで高頻度の打ち上げが可能な米スペースXの再使用型ロケットが先導する衛星打ち上げ市場に食い込めるかどうかが課題だ。

 ▽実用性焦点

 日本の大型ロケットは1975年の「N1」以来、米国の技術を国産に置き換えていく時期が続いた。国産化が完了し、低コスト・高信頼度という実用性が焦点になったのは2001年のH2Aからだ。宇宙航空研究開発機構(JAXA)で開発に関わった慶応大の神武直彦教授は「ロケットは飛...

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