
能登半島地震で天井の一部が崩落した特別養護老人ホーム「第二長寿園」=23日、石川県能登町
石川県の能登半島地震の被災地で介護施設の職員が大幅に減っている。人手不足から入所定員を削減した施設もあり、地震直後に入所者が県内外に広域避難したことが影響したとの見方が出ている。地元では介護体制の弱体化に懸念が広がり、元入所者が避難先から戻れない状況も。専門家は「介護サービスは高齢者が地域で暮らすための最低限のインフラ。国や県は追加支援検討を」と訴える。
▽離散
昨年元日の地震では、自治体が定める福祉避難所が被災するなどして、介護が必要な高齢者を受け入れる施設が不足した。県や災害派遣医療チーム(DMAT)は介護施設などと調整し、被災地での生活が困難と判断される入所者ら2千人以上を、県内外で指...
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