石川県穴水町の仮設商店街「あなみずスマイルマルシェ」=6月30日午後
 石川県穴水町の仮設商店街「あなみずスマイルマルシェ」=6月30日午後
 衣服店「バル・こばやし」の店頭に立つ小林英夫さん=30日午後、石川県穴水町
 衣服店「バル・こばやし」の店頭に立つ小林英夫さん=6月30日午後、石川県穴水町
 衣服店「バル・こばやし」の店頭に立つ小林英夫さん=6月30日午後、石川県穴水町
 衣服店「バル・こばやし」の店頭に立つ小林英夫さん=6月30日午後、石川県穴水町

 能登半島地震の発生から7月1日で1年半となる被災地では、損壊した店舗再建の見通しが立たない。行政は補助金で手助けするが、「後払い」など柔軟さのない制度が店の資金不足に追い打ちをかける。転居に伴う人口減に歯止めがかからず、客足や収入の回復は難しい。店主の苦悩が続き、識者は現実に沿った制度にすべきだと訴える。

 ▽決心つかず

 6月の平日の昼、石川県穴水町の仮設商店街に入居する衣服店「バル・こばやし」では、1時間の取材中に訪れた客は1人だけだった。「客が来ないと収入が見込めない。前を向く要素は少ない」。店主小林英夫さん(59)が心境を吐露した。

 常連客の何人かは親族がいる金沢市などに身を寄せた。小林...

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