
南海トラフ巨大地震を想定し、図上訓練で相互協力を確認する徳島県内の自治体関係者ら=6月、徳島県美波町(徳島県提供)
政府が南海トラフ巨大地震の対策計画を初めて本格改定した。目標とする死者数8割減は2014年の計画でも掲げられながら、達成できなかった。今回は、てこ入れを目指して個別事業の数値目標を増やし、大きな被害が予想される地域に重点を置くとしたが、事業内容は新味に乏しく、切り札はないのが実情だ。地域の対策を立案、実行する自治体は手探りを続ける。
▽高い壁
「目標に至らなかったのは反省点だ」。内閣府の担当者は14年の計画をこう総括する。当時の想定で死者は最大33万2千人。これまでに進めた対策の効果を政府が評価すると、2割少ない26万4千人までしか減らないという結論に至った。
8割減は当初から「高い壁」(政...
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