石川県輪島市の国道249号に置かれた、復旧工事に伴う通行止めの看板=1日午前
 石川県輪島市の国道249号に置かれた、復旧工事に伴う通行止めの看板=1日午前
 2024年1月2日、金沢市の北陸自動車道・金沢東インターの出口(左下)に並ぶ消防車と救急車
 石川県輪島市の仮設住宅で、妻眞智子さんの遺影を手にする上杉年彦さん=6月
 認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパンが運用する、医療を提供できる船=3月、愛媛県今治市
 医療を提供できる船の甲板で打ち合わせをする、認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパンのスタッフら=3月、愛媛県今治市沖
 移動による負荷が死亡の一因とされた主な災害関連死

 昨年元日に石川県の能登半島を襲った地震では、道路の寸断や損壊が相次いだ影響で、遠方の病院や福祉施設への高齢者の搬送に時間がかかり、心身に大きな負担を及ぼした。中には移動に10時間近くを要した事例もあり、政府は主要道路の補強を進める。専門家は、高齢者の移動を抑えるための取り組みの必要性を訴える。

 ▽亀裂に陥没

 「避難所で過ごすよりはいいと思ったが、どうするのが正解だったのか」。輪島市の上杉年彦さん(88)は昨年1月28日、約100キロ離れた金沢市の病院で妻眞智子さん=当時(81)=を病気で亡くした。今年3月、災害関連死に認定された。

 上杉さん夫妻は地震直後、公共施設に身を寄せたが、避難者で密集...

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