企業を取り巻く経済環境
 企業を取り巻く経済環境

 日銀が1日公表した企業短期経済観測調査(短観)では、先行きに対する企業の懸念がにじんだ。着地点が見えないトランプ米政権の関税政策に加え、物価高に伴う個人消費の停滞もリスク要因だ。日銀は物価や景気動向をにらみつつ追加利上げの時期を模索する。

 ▽晴れぬ不透明感

 6月短観では、大企業製造業の最近の景況感を示す業況判断指数(DI)が3月の前回調査からわずかに改善し、悪化を見込んだ市場予想に反する結果となった。日銀の担当者は「価格転嫁の進展」により企業収益が高水準を維持していることを要因に挙げた。

 一方、先行きの不透明感は依然として晴れず、3カ月後の大企業製造業全体の先行きは悪化した。9日に相互関税の...

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