取材に応じる訪問看護師の50代女性=6月、大阪市
 取材に応じる訪問看護師の50代女性=6月、大阪市

 訪問看護事業所へのアンケートから、多くの看護師が患者からの暴力や威圧的言動にさらされている実態が浮き彫りとなった。密室で一対一になり、事件に発展したケースも。国だけでなく、自治体も複数看護の人件費補助などの支援に乗り出しているが、現場への浸透はいまひとつ。専門家は「活用しやすい仕組みづくりが急務」と訴える。

 ▽恐怖

 「何しに来た!」。大阪市の訪問看護師の50代女性が、糖尿病の60代男性宅を訪れ、血糖値を測るために手を取ると、突然怒鳴られ殴りかかられた。

 その後も追いかけられ続け、恐怖を感じた女性は、はだしのまま外に逃げたという。5年以上前のことだが、今でも脳裏に焼き付いて離れない。

 今年4月...

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