
和歌山市での記者会見を終え、引き揚げる自民党の鶴保庸介参院予算委員長=9日午前
自民党の鶴保庸介参院予算委員長が参院選の応援演説で「運のいいことに能登で地震があった」と発言した。被災地の石川県内では「実情を知らなすぎる」と怒りや失望の声が相次いだ。発生から1年半がたったが、復興は道半ば。2万人超が今も仮設住宅での暮らしを余儀なくされる。有識者は「被災者を冒涜している。政権のおごりだ」と指摘。参院選への影響は避けられそうにない。
▽的外れ
「論外だ」。石川県の馳浩知事は9日、強い口調で鶴保氏を批判。同県輪島市の輪島塗職人高木雅啓さん(65)は「被災地の声を聞いてほしい」と苦言を呈した。
能登半島地震は昨年元日に発生した。9日時点で死者は石川、新潟、富山3県で累計625人。...
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