生後間もなく長崎で被爆し、不安を語る山梨県の女性
 生後間もなく長崎で被爆し、不安を語る山梨県の女性
 原爆投下後の広島に入って被爆し、孫への影響について不安を語る片田靖子さん

 共同通信の被爆者アンケートでは、80年間のつらさを選択式(複数回答可)で尋ねると、有効回答の1532人のうち816人が「放射線による子や孫への健康影響の不安」を選び最多となった。国は遺伝による影響は確認されていないと説明してきたが、被爆体験や周囲の偏見から来る恐怖は拭えず、苦しみのもととなってきた。被爆者は人生の最晩年を迎え、残される「被爆2世」への援護拡充を切に求める。

 ▽「被爆者だから」

 「どんな子どもが生まれるのか」。山梨県の女性(80)は周囲の声に悩まされた。生後間もなく長崎で被爆。小学生になって以降は米国の原爆傷害調査委員会(ABCC)の検査を受けてきた。「影響が残っているかもしれ...

残り1075文字(全文:1375文字)