
ドイツのための選択肢(AfD)のアリス・ワイデル共同代表=5月、ベルリン(Michael Kappeler/DPA提供、AP=共同)
参院選で一部政党が掲げる排外主義的な主張が勢いを増している。欧州ではここ10年ほどで右派、極右政党が伸長し、移民急増に懸念を抱くサイレントマジョリティー(物言わぬ多数派)にも浸透、国政の一大勢力になった。交流サイト(SNS)を駆使して若者を取り込む一方、保守層を奪い返したい既存政党も移民政策の厳格化に傾斜。相互作用で「自国ファースト」が増幅している。
▽助長
2月のドイツ総選挙では、極右とも称される「ドイツのための選択肢(AfD)」が第2党に躍進した。情報機関が「民族、血統主義的な国民観が民主主義の基本秩序に反する」と認定し、政党活動禁止を求める声も高まる。だが若年層の支持は厚く、最新の世論...
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