
和歌山市内で演説する自民党の鶴保庸介参院予算委員長=7月8日
能登半島地震を巡る自民党の鶴保庸介参院予算委員長の失言に対し、石破茂首相が表立って火消しに動かず、政権の危機管理は後手に回った。党執行部は厳重注意だけで済ませようとしたものの、被災自治体から抗議の声が上がり、鶴保氏は辞任へ追い込まれる形となった。参院選で苦戦が伝えられる中、与党は「追い打ちとなりかねない」と焦りが募る。
▽沈黙
「自民総裁としての責任があったにもかかわらず、リーダーシップが見えなかったのは残念だ」。12日、青森県八戸市。立憲民主党の野田佳彦代表は記者団に、首相の鶴保氏への対応を疑問視した。
「運のいいことに能登で地震があった」との失言は8日、和歌山市での自民候補の集会で飛び出...
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