
全国学力・学習状況調査でオンライン方式での中3理科のテストを前に、デジタル端末の操作練習をする生徒=4月、東京都内の中学校
2025年度の全国学力テストから、それぞれが異なる問題を解くことで幅広い領域の学力調査が可能となる「IRT(項目反応理論)」の手法が採用された。文部科学省は全ての児童生徒に結果を返却し、各学校での指導に生かすことを理由に全員参加を維持してきたが、IRTでは半数以上の問題が非公開で、どんな問題をどう間違えたのか分からない。全員参加の根拠は揺らぐ。
▽事前対策
07年度に始まった全国学力テストは、学習指導要領が育成を目指す力を測り、政策や現場の学習指導の改善に役立てることを目的に掲げる。だが、都道府県別や学校別の平均正答率が出るため、過度な競争をあおり、学校現場にプレッシャーを与えているとの批判...
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